2012年3月25日日曜日

グラスルーツ・バックパッカー


やさと農場 in 茨城にて

この週末は、大学時代の仲間3人で「organic farm 暮らしの実験室」「やさと農場」(http://yasatofarm.exblog.jp/9559090/)を訪ねた。ソーセージ作りをした。のんびりとした農場の中で一日中遊んでとても幸せな気分だった。思わぬ出会いもあった。この農場は仲間の一人が何の関係もなく探し当てたのだが、農場のスタッフにもそれを支える人にもアイセックのメンバーがいたのだ。茨城県石岡市にも面白い試みをしている仲間がいたとは。そこで思い出したのが「グラスルーツバックパッカー」という言葉。下の文章は大学4年のときに書いたものだが、やさと農場にも、主体的に物事に取り組み、持続可能性を追求し、生き生きと活動している「グラスルーツバックパッカー」たちがいた。


社会を良くしようだとか、社会に何かしらのかたちで貢献したいと思うとき
「人が幸せに生きる」とはどういうことかを考える。
人の生き方は多様なあり方があるものだ。
ただ振り返って思うのは、内側から湧き出てくるような熱い想いに
突き動かされて行動しているときというのは幸せである。
誰しもそういう経験があるとは思うが自分を振り返れば、
中学、高校のときはテニスと文化祭活動だ。
一から自分で考え、自分の行動を決める。
高校を卒業してから過ごした浪人時代の一年間も充実したものだった。
それは、目的に向かって自分に必要なものは何で、そのためになにをすべきかを
自分自身で決めて行動したからである。
大学に入学して取り組んだアイセックにおいても、
ディレクターとして一年間の目標と行動計画を決め
それに向かって仲間とともに活動したから楽しかったのである。
人間はそうした、自助の心を持っているとき生き生きする。
たとえ人からの援助があったとしても、他人任せではなく
自分の人生を主体的に生きることが重要である。

私は事業経営に社会を変える強い可能性を感じている。
事業経営の最大の目的は、持続可能性の追求だと思っている。
事業が終わるときは、その会社が赤字になるとき、倒産するときであり、
そのときその事業は社会から必要とされていないということを意味する。
持続可能性を追求するとは、倒産させないことを単に意味するだけではない。
倒産させないということはすなわち、社会からの要請に応え続けるということである。
そうした事業経営の本質を表すのが財務諸表である。
損益計算書P/Lは、毎期の活動が社会の要請に応えているかを表す。
これで赤字が続くようだと、その事業は何かが足りない、何かを変えなければならない。
貸借対照表B/Sは、その事業の現在の状況を表す。
自己資本が積上っていれば、それは過去の経営の積み重ねの証であるし、
資産の構成や負債とのバランスは、その会社がいかなる形で事業を行っているかを
示している。
B/Sから生まれた売上がP/Lを通じて様々なステークホルダーに還元され、
最終的に利益がB/Sに積み上る。
そのキャッシュフローのダイナミクスが僕は好きだ。

僕はどんな事業も、持続可能性を追求しなければならないと思う。
その持続可能性とは金銭的な成功とは必ずしも一致しない。
しかし、「キャッシュフローが回っている」ことは何よりも大事である。

公共事業がしばし問題となるのは、その事業が投資に見合った事業なのか
持続可能性があるのかどうかが、不明瞭なまま、多額の国の財政が
投じられることがある点だ。
民間事業はその点は厳しい状況にある。
民間は事業が投資に見合わないと、収入がなくなる。
それは赤字を意味し、赤字はすぐに自分たちの身に降り掛かってくる。
民間事業はギブアンドテイクが基本である。
一方で、公共事業はその事業で収支をバランスする必要がないためしばし赤字である。
赤字を補填するだけの効果があるかどうかを、財務的な数字で測ることが難しい。

官は常に非対称の立場におかれている。
故に特権化する、腐敗する。
立場の非対称性がゆえにノーブレスオブリージュが求められる。
もしかしたら、官が相対化されていくのがこれからの世の中かもしれない。
地域分権が進み、行政サービスで政府を選ぶ時代になる。
地域と政府が分離した場合、ますますそうなる。

僕は官よりも民の立場で、
事業経営のプロフェッショナルとして、
社会に貢献する事業を世の中に送り出したい。

規模や利益の大小は関係ない。
社会の利益となる持続可能な事業であることが重要である。

小さくても、その事業に関わる人々全てが生き生きとしている状態。
それを生み出す企業家。
「グラスルーツ バックパッカー」

それは金儲けが目的ではないのは明らかだ。
明治の日本の礎を築いた経営者たち、
昭和の敗戦の焼け跡から世界第二位の経済大国へと日本をよみがえらせた経営者たち
彼らに非常に憧れる。

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