2012年9月2日日曜日

高齢者が「支える」社会



街で元気な年配の方々をよく見かける。うちの両親も、祖父母にしても元気だ。年齢を重ねるにつれ、自由の利かない苦労もたくさんあるのだろうけれど、まだまだ頼りにしている自分がいる。何年後かに父が定年を迎えたら「おつかれさま、ゆっくり休んでね」ではなく、「おつかれさま、人生これからだね」と声をかけたいと思う。


高齢者が「支えられる」社会は終わった。これからは高齢者が「支えていく」社会でなければならない。知識と経験の豊富な年配の方々が社会の基盤を支えるのだ。

現行の社会保障制度は高度成長期に整備された。その時代の「高齢者」は人口比率も低く、かつ二度の大戦を経験した「功労者」であった。年金制度はそうした方々の功労に報いる側面があった。その時代の選択としては全うであっただろう。

しかし、現代は幾分趣が異なる。確かにこれから「高齢者」の年齢にさしかかる方々も、戦後の焼け野原からスタートした日本をこれほどの誇るべき立派な国にまで築き上げたという意味で功労者であることは違いない。しかし一方で、右肩上がりの希望あふれる時代を謳歌してきた世代であるとも言える。制度疲弊が指摘され、これから支給金額も下がると予想される社会保障制度の最大の恩恵を受けている世代であると言っても良い。

そうした高齢者の方々は果たして社会に「支えられる」立場であるだろうか?年長者を敬うことは当然のことだが、敬うことと援助する、保護することとは違う。私たち若い世代はまだまだ彼らから学ぶこと教わることがたくさんある。街を見渡せば、いきいきとした高齢者はたくさんいる。是非とも元気で健康な高齢者の方々におかれては、これからも社会を「支えていく」のだという気概を持ち、その豊富な知識と経験を生かして若い世代の育成に励んでいただきたい。

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