2014年3月3日月曜日

7-7 Saudi America

3/3開催報告 7:00-7:40 京都2名
“The economics of shale oil-Saudi America" from Feb 15th 2014 print edition



http://www.economist.com/news/united-states/21596553-benefits-shale-oil-are-bigger-many-americans-realise-policy-has-yet-catch

■要旨
シェールオイル等の“tight oil”ビジネスが盛り上がっている。技術革新によるtight oilの急激な生産量の拡大は、経済成長に貢献し新規雇用を生むだけでなく、世界価格の安定化に寄与する可能性がある。

安定化に寄与する理由

(1) 米国の石油輸入依存度が減ることで、米ドルと米国経済が石油価格に左右されにくくなる。
(2) シェールオイルは、通常に比べて油田が小さく枯渇スピードが速いので生産を維持するための油井の数が多い。そのため、世界価格の変動に応じた生産のコントロールがしやすい。

米国は国内の石油価格70年代から原油輸出を禁止しているが、これは原油の生産者を害し、米国が影響力のある供給者となるのを難しくしているだけである。原油輸出の解禁は米国を含めたグローバルな石油マーケットをより安定的で多様なものにし、OPECやロシアへの依存度を低くする。こうした地政学上の利益は計り知れない。


議論では、もし米国人であるとしたらあなたは輸出解禁に賛成か、日本にとっては良いことなのか、についてから始まりました。私の意見は、石油価格が下がるならばどちらの立場であれ賛成というシンプルなものです。記事ではそうした経済合理性だけでなく、原油価格の変動リスクが世界を不安定にしているという問題意識に基づいて、世界価格の安定に寄与する米国の輸出解禁を主張している点は斬新に感じました。また、記事に足りない視点として、シェールオイルの環境への影響があがりました。油井の数が多い、採掘に化学薬品を用いる、等のシェール技術の特徴は触れられていますが、それがもたらす環境への影響は全く触れられていないことに違和感を感じました。最後に日本に関わる話題としてメタンハイドレード開発に触れ、議論を終えました。

0 件のコメント:

コメントを投稿