2013年1月26日土曜日

シネマトークカフェ in 京都「シッコ」


フリージャーナリストである岩上安身氏(http://iwj.co.jp)が設立したIWJ(Independent Web Journal)企画の「シネマトークカフェin京都」に参加してきた。企画は、映画「シッコ」を鑑賞後、岩上氏のアフタートークという内容。この映画の鑑賞は2回目であったが、見応えのある内容には変わりなかった。

トークテーマは、医療・保険問題に絡めながらもあくまでTPP批判だった。このとりあわせは意外だったが、ホームページからその着眼点を引用しておこう。(http://iwj.co.jp/info/whatsnew/?p=18668)

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先日、正式に日本の交渉参加が決まったTPPは、
日本人の生活のありとあらゆる面に影響を及ぼす可能性があります。
100円の牛丼に喜んでいる間に、労働賃金はさらに下がり、
失業が増大、デフレはさらに進み、格差が広がるのではないかと危惧されています。
農水省によると、TPPによって、現在約40%程度の食糧自給率は
14%まで低下してしまうと予測されています。
懸念されるのは、医療の問題です。
公的医療保険がカバーする範囲が段階的に縮小され、
医療の二極化が起こるのではないかとの指摘もあります。
富裕層向けには手厚い医療サービスが提供されるが、
民間保険に加入できない低所得者は、
平等に医療を受けることが困難になるかもしれません。
TPPが目指すのは、グローバル資本の制度のために、
日本国内の諸制度を米国式に改造してゆくこと。
公的医療保険がまともに機能しない世界、それはまさに現在の米国の姿です。
マイケル・ムーア監督が米国の医療の実態を赤裸々に描いた
映画「シッコ」の世界は、近未来の日本の姿かもしれません。
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米国の医療事情の「惨状」を次々と紹介し、それをそのままTPP批判につなげていくあたりは、いささか強引さを感じたものの、岩上氏のアフタートークを聞いていて、自分がTPPに無自覚に賛成していたということに気づかされた。

自分は周りの友人と同じく「総論としてTPP参加には賛成」という立場だ。自由貿易がもたらす果実を信じているし、TPP参加が米国式制度の踏襲であるとは考えていない。岩上氏の話し振りは説得力があったものの、その主張には賛成しかねた。

しかし、同時に岩上氏の話を聞いて、TPP各論について自分が無知であることに気づかされた。そもそも、交渉はクローズドであるから一般市民が各論について知ること自体困難である。しかし、具体的にどのような内容で取り決められるかも知らずに、その方向性だけでTPP賛成と表明するのは、あまりにも無自覚な態度であった。

「もっと勉強しなければなあ」と思った次第。無防備に話を聞いていると、ちょっと専門的な話題が出てきたばかりに、「やっぱりアブナイのだなTPP反対」となってしまうし、一方で聞く耳持たず「自由は素晴らしいTPP賛成」となるのも無自覚すぎる。人の話を聞く時は、自分の中に判断軸となる知識、価値観、信条を持っていないといけない。

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